本文へ移動

龍洞院 様

宮城県大崎市

4年間の歳月をかけた、床面積150坪の本堂と128坪の庫裡新築工事です。宮城県鬼首(おにこうべ)山中で材の選定や丸太の切り出し・乾燥の工程から携わりました。本堂上棟時に東日本大震災に遭遇するも、それを乗り越え竣工することが出来ました。

龍洞院本堂
龍洞院本堂

工事概要

形状:入母屋大唐破風造り
軒先:二重化粧タルキ仕上げ
木材:欅材、栗材、杉材、松材、ひば材
屋根:強化ハゼ銅板一文字葺き(特許商品)
建坪:150坪
工期:平成21年9月~平成23年4月(1年6ヶ月)

各工程

1.既存本堂

既存本堂
築300年以上経過しており、全体的に痛みが激しく、話し合いの結果新築することになりました。

2.解体

解体
再利用する欄間等は手作業で取り外し、あとは機械による解体となりました。

3.木材調達

木材調達
工事の約2年前のことです。木材を調達する為、雪道歩行用道具「かんじき」を履いて宮城県の鬼首(おにこうべ)山中に入り、樹齢100~300年の丸太を約600本選定しました。
木材調達
樹齢300年の栗の大木を伐採したところです。これは、本堂の虹梁(こうりょう)に使用します。
寒中に伐採した太い丸太を、重機を用い山中から引っぱってきて、チェーンソーで18尺(約5m40cm)~21尺(約6m30cm)に切断していきます。

4.製材

山から運んできたケヤキ、栗、杉、松、白トツ等の大径木(だいけいぼく)を、用途に合わせて一本一本製材します。

5.乾燥

弊社の乾燥用倉庫に入れ、1〜2年かけじっくり自然乾燥をおこないます。

6.地盤改良

地盤改良
巨大地震にも耐えられる様、地盤改良工事をします。この写真では柱状改良工事をしているところです。

7.基礎工事

基礎工事
建物をしっかり支える為、丈夫な基礎を作る工程です。

8.材料検査

材料検査
弊社場内にて、本堂に使用する木材の材料検査をしています。

9.原寸図検査

原寸図検査
作業場にて原寸図の確認をしています。

10.木材加工

加工
工場での木材加工をおこないます。
虹梁(こうりょう)が完成に近づいてきました。
斗組、役物の彫刻作業をしています。
加工②
向拝に収まる太平束の見事な彫刻です。

11.建方

建方
大型クレーンで屋根の小屋組みを組み上げていきます。

12.銅板工事

建方
弊社特許製品『強化ハゼ銅板一文字』を葺いているところ。

13.仕上げ

仕上げ
前廊下の格縁天井を仕上げていきます。天井板には無垢の秋田杉板を使用しています。

14.完成

完成
上棟式直前に、震度7の東日本大震災に被災しましたが、様々な困難を乗り越えて完成に至りました!感無量。
向拝全景
右ななめ前方からの全景
脇玄関内部。本堂の床材は全て、鬼首(おにこうべ)の山中から切り出した白トツの無垢材を使用しています。
折り上げ格縁天井
二間幅の前廊下全景
内部全景
完成
客殿内部全景