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林清寺 様

秋田県秋田市

本堂の大改修工事。既存の金属瓦及び茅屋根を撤去し銅板一文字葺き屋根への葺替え、耐震補強工事、内外部の建具、天井、床等の改修工事を行わせて頂きました。

林清寺本堂
林清寺本堂
林清寺本堂 玄関
林清寺本堂
(令和2年 竣工)

工事概要

形状:入母屋大唐破風造り
軒先:船枻造り化粧垂木仕上げ
木材:欅材、杉材
屋根:強化ハゼ銅板一文字葺き(特許商品)
建坪:約80坪
工期:令和1年4月~令和1年11月(7ヶ月)

1.調査

既存本堂
茅葺き屋根の上に金属瓦を被せている造り。経年劣化により再塗装は難しいと判断し、屋根材及び茅を撤去し、小屋組から新たに作り直すことになりました。
既存本堂
金属瓦は全体的にサビ・腐食が見受けられ、再塗装は難しい状態。
本堂内部の様子。活かせるものは活かしつつ、劣化の進んだ箇所を見極め改修していきます。今回は屋根葺き替えの他、壁、天井、前廊下等の改修も行います。
既存本堂
長廊下の竿縁天井です。経年劣化による傷みが散見されます。

2.足場

解体
仮設足場を設置して、いよいよ工事開始です。

3.屋根工事(カヤ下ろし)

カヤおろし
金属瓦を解体していくと、徐々に茅部分が見えてきました。
カヤおろし
小屋組内部の様子。既存の梁などの横架材は丸太をそのまま用い、反り等を考慮し丁寧に組み上げられており、強度的にも問題ない様子でした。
カヤおろし
茅をどんどん降ろしていくと、小屋組が現れてきました。この小屋組は解体し新規に作り直します。

4.木工事・造作工事

新しい小屋組ができました。屋根の解体前に仮設の下屋根(したやね)を屋根裏に設けることで、雨から内部を守り、安全で早く工事を進めることができます。これは弊社独自の『レインレス工法』といいます。
屋根面の木下地を丁寧に組み上げていきます。
柱の傾きを調整した上で、サッシを取り付けていきます。
内部の造作工事に並行して、向拝部分の工事も進めていきます。
入母屋部の蓑甲(みのこ)の下地を施工しました。銅板葺きの曲線美を表現するための重要な工程です。

5.板金屋根工事

いよいよ銅板葺きです。弊社特許商品『強化ハゼ銅板一文字』を葺いていきます。
屋根の平間部分を葺き終え、養生を外していきます。
残るは唐破風部分の蓑甲(みのこ)の施工です。
納まりを考えながら、丁寧に施工していきます。

6.完成

正面からの様子。大きな唐破風屋根から感じる威厳と、銅板屋根の流麗な曲線美が調和しています。
側面の入母屋部分の蓑甲(みのこ)も全体と調和のとれた仕上がりとなりました。
向拝部分の様子。取り替えた差鴨居は欅(けやき)材を用い、全体的に塗装等補修を行うことで、落ち着きの中に力強さを感じさせる仕上がりとなりました。
本堂内部は木部を洗浄し再塗装、内壁は漆喰仕上げとし明るく清潔な印象となるよう配慮しました。
取り替えたサッシ窓や天井は洗浄した木部と色味を統一し、落ち着いた印象となるよう工夫しました。
照明計画等も見直し、全体的に明るく広々とした印象となりました。